独!新三大タイトル回収が秀逸な曲

上海蟹たーべたい、あなたーと食べたいよー、という訳で三度の飯より琥珀色の街、Lac-Qです。今回はタイトル通り私が皆さんにお勧めしたい曲を紹介します。「独!」とはドイツのことではなく独断という意味です。異論は受け付けません、たぶん。

(2023/09/18 著作権の観点から公式動画の埋め込みを削除しました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。)

①:ミュージック・アワー (ポルノグラフィティ)

ポルノグラフィティ『ミュージックアワー』(つま恋ロマンスポルノ’11~ポルノ丸) / PORNOGRAFFITTI『Music Hour (Live Ver.)』

これからの季節聴きたくなること間違いなしの一曲。ポルノグラフィティのミュージック・アワー。曲のタイトルはその曲のテーマを、アーティストがリスナーに伝える手段の一つだ。タイトルという最初のフィルターを通して私たちは曲を受け取ることが多いように感じる。この曲の場合はまさに「音楽の時間」というテーマがある。1番のAメロの歌詞に

この番組では、みんなの
リクエストをお待ちしています

とすぐにラジオ番組であることが窺える。タイトルというのは回収されない(曲中に登場しない)こともあるが、登場するときはサビの始めで登場することが多い。例えばスピッツの「優しいあの子」やSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」など。この曲はというとサビはサビでも最後の1フレーズ、しかも2番である。1番を聞いただけでは「ミュージック・アワー」の意味はわかっても、回収されない曲だと思ってもおかしくない。ところがどっこい、さらっとなにげなく

可愛すぎるハートを見守ってる
ミュージック・アワー

とあるのだ。グッとくるだろう?この飾らない登場が気持ちを高めてくれるのだ。2番のサビ後、感想挟んでまたサビ(いわゆる大サビ)があるのだがそこでは1番の歌詞が使用されるため「ミュージック・アワー」は出てこない。予想外でわざとらしくないことが秀逸なタイトル回収だ。

②:ビッグ・バッド・ビンゴ(Flipper’s Guitar)

知る人ぞ知る、と言ったら失礼かもしれないが小沢健二と小山田圭吾が組んでいたバンド「Flipper’s Guitar」からの一曲。こちらもサビの最後で回収されるのだが、まず特筆すべきは言葉の発音の小気味良さだ。リピートアフターミー「ビッグ・バッド・ビンゴ」私は英単語3つでできた言葉(アジアン・カンフー・ジェネレーション、イエロー・マジック・オーケストラ)が非常に好きなのだ。リズムが良さはわかってもらえることだろう。

少しだけシャイなふりをした
変な角度のウィンク
ほら僕らの
ビッグ・バッド・ビンゴさ

ドラムのおしゃれなリズムが繰り返される中、サビに突入する。2回の繰り返しの後半、「ほら僕らの」でタッタッタと力を入れて刻んだ後、丁寧に置くようにタイトルを添える。こんな終わり方が許されるのだろうか?まさに殺人的なタイトル回収だ。たとえばこれが「ビッグ・スケール・ビンゴ」だったり、「ビッグ・バッド・シンフォニー」では到底感動は訪れない。ビッグ・バッドに共通するBの濁音と促音、そしてビンゴのBとN(ん)の組み合わせによって変えることのできない。タイトル回収を演出している。

③:E.G.G (Cymbals)

最後は私が声質という要素だけであればもっとも尊敬し、恋していると言っても過言ではない女性シンガー土岐麻子様が所属していた最後の渋谷系バンド「Cymbals」の曲、「E.G.G」だ。何と言ってもカワイイ曲名。どう読むのかは定かではないが曲中と統一するなら「いー・じー・じー」だろう。サビで

Can I tell that feeling
when I eat some supreme eggs

「最高の卵を食べた時の感覚といったら!」と卵(EGG)は登場するが本当のタイトル回収はここではない。

2番Aメロ、1番とはややリズムというかメロディーに対する言葉の入れ方が変化する。合っているかわからないが例えるなら「遊んでいる」感じ。比較すると単調だった1番に比べて揺らぎ、細かい単語の繰り返しがある。そこでブツはひっそりとそして驚きの展開をもってやってくるのである。

And I know you gotta call it so
“E.G.G”
is, for me, the magic spell

「うーーー」というコーラスとともに急に「いー!じー!じー!」と来るのだ。私は初めてこの曲を聞いた時ひよこ顔負けの鳥肌がたった。この伸ばしの音三連続の後にスッともとの調子、単語数に戻る。

「ズキューーン」「おい・・・今タイトル通らなかったか?」「ゾワゾワぁぁ、じわじわぁぁぁ」

このあとの展開も含めここに入れ込んだタイトル回収は素晴らしいの一言では片付けられない(と思う笑)。そしてサビへとつながっていくのだがこのタイトル回収の余韻があってこそのものだ。まさにいい意味で期待を裏切るものだった。

まとめ

以上3曲を紹介した。ミュージックアワー以外はYouTubeに公式チャンネルすらないアーティストのため、アップルミュージックやスポティファイ等に頼らないと正規には聞くことができないが、是非タイトル回収というところに着目していろいろな曲を楽しんでいただきたい。

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