「美しい鰭」レビュー

みなさん、こんにちは三度の飯よりナマケモノのまんまで頑張りたいLac-Qです。

 今回は2023年4月12日にリリースされました、スピッツの46th single「美しい鰭」のレビューを書きたいと思います。ただの1スピッツファンの感想ですので諸々ご了承ください・・・。あとMVの感想は時間の都合でノータッチです笑(見ればわかるけど色々意外性があって語りきれない)。

 「美しい鰭」が収録されたアルバム「ひみつスタジオ」のレビューはこちらです!

(2023/09/18 著作権の観点から公式動画の埋め込みを削除しました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。)

目次
びっくらこいた新曲
スピッツなカップリングたち
周辺の余談
まとめ

リズムに関して追記しました(2023年4月29日)

びっくらこいた新曲

 「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の主題歌として発表された時も「びっくらいこいた」んですが、先行配信で夜中に聞いて、かなり驚きました。なるほどというか、そう来ましたかというか。多くの方も感じたと思いますが、CMで聞くことのできたサビからイメージする曲の全体像と、実際の曲は違ったものではなかってでしょうか?

 その要因はAメロですね。独特のリズムというか、フレーズからフレーズへの移動がつまって聴こえるような感じです。要するに変拍子です。この繰り返しが2セットあるので、かなり印象的です。Bメロは『ブリッヂ』つまりはサビへの橋渡しという感じで、あのメロディアスなサビまでの盛り上げ感がよかったです。サビはなんといってもファルセットの高音部分が気持ちいいですね。あれを歌って成立させるのが草野さんの歌声の力だと思います。サビの終わりの方はなんとなく悲しいメロディーのようなものも感じられ哀愁もありました。そして彩るホーンセクションが良いです。曲調自体は優しいだけに、サビのホーンやハモリのギターソロなど厚みの部分が曲をより魅力的にしています。ホーンセクションは「醒めない」なんかも思い出します。

歌詞で気になる部分は2番Bメロ

秘密守ってくれてありがとうね

歌ネット(https://www.uta-net.com/song/335801/

がまず1つです。文脈ははっきりしてないので意味は掴みづらいですが、何の「秘密」なのか気になるし、「ありがとう」という言葉も耳に残ります。ここ最近のスピッツのテーマは「優しい」とか「ありがとう」だと思っているのでそれを体現しているような感じです。コナンファンの方は歌詞を「名探偵コナン」のストーリー、ひいては今回の映画でフォーカスされている灰原哀と重ねる見方があり、「秘密」というのはまさしくコナンくんや灰原の正体であり、2人はその秘密をバレないように守っています。私個人はコナンに詳しくないので重ねて歌詞を読むことはしていませんがそういった解釈はなるほどなぁと思いました。この「美しい鰭」が収録される最新アルバム「ひみつスタジオ」のタイトルをなんとなく回収している感じがあるものいいですよね。

あとは

出し抜こうか 美しい鰭で

というのも好きです。その前が「流れるまんま流されたら」なので、ただ流されるばかりではない反骨精神がロックっぽい(浅い解釈笑)です。

スピッツなカップリングたち

 カップリング曲は今回は2曲ということで豪華です。ちなみに、「カップリング」というのは2つ1組のことを言うので英語的には変だと言うのを聞いたことがあります。まぁいいや、それは。

 どちらの曲もスピッツっぽさからは良くも悪くも外れていない心地の良い音楽でした。前回のカップリング曲が「優しいあの子」とカップルだった「悪役」です。比較してしまうと、「『優しいあの子』の裏にこの曲かい!!」みたいなギャップはなかったかなと思います。ゆったりとした曲の裏にパンクのような疾走感のある曲を配置する例は過去もあったので(「ルキンフォー」に対する「ラクガキ王国」とか)そっちパターンではなかったです。「祈りはきっと」は全体的に悲しみは漂っていると感じました。ニューアルバムに伴う「ROCKIN’ON JAPAN」のインタビューでは40代以降の周りの「死」についてやんわりと触れられていて、そういった「死」と向き合う、あるいはそれを乗り越えて始める「新たなる旅路」をテーマにした曲かなぁとか考えています。コロナとかよりはそういう身近な対象を描いているのでは。
「アケホノ」は「これアルバム未収録でいいの?」です笑。Aメロのためる感じ、Bメロの伸び、サビの爽快感とどれを切り取っても良い曲です。タイトル回収の

アケホノに誓いましょう

が本当に気持ちいいです。個人的には「紫の夜を越えて」と対になるアンサーソングのようなものだと考えています。「生きていて良かった」「失ったふりしてた愛の言葉」「頑張れ」など言葉のチョイスはいつにもなく素直で直球です。「コピペで作られた流行りの愛の歌」ってこの間歌ってましたけどって、まぁそんなの気にするなということです。

周辺の余談

 ファンクラブ会員の方はなんとなく察しがついていたと思いますが、ツアーと、新アルバムが順に発表されました。私が以前書いて多くの方にお読みいただいているこちらの記事では「2022年に新アルバム」とか戯言をかましていましたが、ずれましたね。ただ、活動ペースというかボリュームは尊敬してもしきれないようなもので、「猫ちぐら」「紫の夜を越えて」「大好物」がすでにあっただけに期待値は高かったです。その後、詳細が発表され、「猫ちぐら」の収録は見送られましたが、新たに先行シングルとして今回の「美しい鰭」がリリースされました。アルバム未収録の曲が2曲も聞けると言うのはお得です。コナンの主題歌というのは正直朝ドラよりも驚きです。あまりスピッツのイメージないですよね。これまでの定番のアーティストと比較して困惑する声も少なからずあるようです。さらに縁の深い広瀬すずさんの映画「水は海に向かって流れる」の主題歌「ときめきpart1」も収録されますのでタイアップ曲満載のスーパーアルバムになりそうです。
 個人的にはこれまで発表されている曲がどれも「見っけ」収録曲よりも感触が良いので、楽しみです。ポップで「かわいい」「優しい」が散りばめられているようなので、90年代の「ハチミツ」、00年代の「さざなみCD」を継承する令和のスピッツが聞けるのではないかと期待しています。

 なお、2023年5月17日には「美しい鰭」や「大好物」「ときめきpart1」などそうそうたる楽曲が収録された最新アルバム「ひみつスタジオ」が発売されました。全曲の感想が気になる方は是非合わせてお楽しみください!(2023年5月21日追記)

まとめ

 最新シングル「美しい鰭」は全てのパートでスピッツがつまった伸びやかで気持ちの良い新曲でした。他2曲のカップリング曲も近年のスピッツの傾向を凝縮するような「優しさ」そして大きな愛に包まれた曲です。スピッツはアルバム発売後、来年までに及ぶ全国ツアーが控えているのでとても楽しみです!!!スピッツフォーエバー!!!

・・・ちなみに仙台の平日公演ファンクラブ先行は落ちました。嘘だろ。(Lac-Q)

今回触れた楽曲をまとめたプレイリストです。何かのお供にご興味があれば。

「美しい鰭」レビュー” に対して2件のコメントがあります。

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