スピッツ ツアー “NEW MIKKE”レポート

 三度の飯よりうめぼし食べたい、どうもこんにちはLac-Qです。お久しぶりの「僕らはいつも向かい風」は、私の最も好きなアーティスト「スピッツ」のライブレポートです。去る8月8日(日)に行われた「SPITZ JAMBOREE TOUR “NEW MIKKE”」の宮城公演2日目の様子からツアーをレポートしたいと思います。

目次
・会場の様子
・1曲目から10曲目まで
・11曲目から23曲目まで
・アンコールからフィナーレ、まとめ

会場の様子

 まずは会場とその日の様子から確認しておこう。場所は宮城県利府町の「セキスイハイムスーパーアリーナ」通称「グランディ21」である。台風の接近に伴い天候は不安定で、雨が今にも降りそうな様子でであった。今回は新型コロナウイルス蔓延防止の観点から様々な制約が存在する、いわゆる「コロナ禍仕様ライブ」である。座席はグループディスタンス形式で団体(上限2人)ごとに1席の空白が設けられている。また物販もライブの開始前に限られ、限定商品の販売もない。全ての商品がオンラインストアでも購入可能で、特別感はあえてなくなっている。混雑をなくすため、または会場に様々な事情で来ることのできないファンに配慮した形である。検温後、会場に入るとまっすぐ席に向かった。座席は一般のバスケ等の試合で観客席にあたるスタンド席であった。ステージからは比較的近く、中心からは遠い後ろの方の座席であった。アリーナ席は段差が設けられていないため、「確実に見える」という意味では良い席と言える。ツアーのパンフレットやその他チラシは座席に貼ってあった。マスク着用を確認して、開演を待った。

ライブ当日の会場の様子

!!!以下、セットリスト、MCのネタバレを含みます。!!!

1曲目から10曲目まで

 開演時間ちょうど、鮮やかなイントロと共に「見っけ」が流れる。初めてこの目でスピッツはテレビの先で、ラジオの先で、そして何より食い入るように聞いてきた音の先にいる人たちであった。初ライブ体験、初スピッツという感動にもはや我を失っていたが、ボーカル草野さんの声はいつもの調子と言わんばかりの余裕が漂い、めちゃくちゃにうまい。口からCD音源は嘘ではなかったということを伝えたい。
 2曲目はアルバム「見っけ」から「はぐれ狼」。サビ部分での会場の一体感が印象的であった。その次は「エスカルゴ」。イントロのドラムに合わせた照明の演出がワクワクするものであった。そして長くライブに言っている人には当たり前のことかもしれないが、イントロで観客が手を振るのが面白かった。私は恥ずかしくて慣れるのに時間が・・・笑。  次は「けもの道」。これはライブDVDにもある鉄板曲で、冒頭の歌詞「東京の日の出〜」がちゃんと「仙台の日の出〜」になっていて、これまた涙が出るような感動を覚えた。ギターをアコースティックに持ち替えると続くのは「稲穂」。これはやっている回とそうでない回があるようで、個人的に「稲穂」はかなり好きであったので聞けたことを嬉しく思う。

誰にも会えない気がしてた クジ引きだらけの街にいて

という歌詞を勝手にこのご時世に重ねてまた泣きそうになった。

 ここで初めてのMCが入る。話は会場「セキスイハイムスーパーアリーナ」のことである。草野さんは「積水ハウス」と「セキスイハイム」が違う会社であることを最近知ったらしく・・・というところで、ギターを鳴らし

あの街に この家に こころは 帰る 帰れば積水ハウス〜

と歌い、「これは積水ハウスの歌だったんですね笑」と笑いを誘う。そして

帰りたい 帰りたい あったかハイムが待っている〜

と歌った。「こっちでしたね笑」。あーこんなCMソングでも草野さんが歌うとスピッツっぽくなってしまう不思議である。スピッツとSMAPぐらいの違いがあるそう(本人談)

 そんな緩い雰囲気もありつつMCを終えると、続くのは「遥か」。「けもの道」「エスカルゴ」とあり、また「三日月ロック」からであった。こんなもんなのかな。そして「快速」。エフェクトの入った女声のパートはうっすら聞こえた・・・かな?脳内補正されているかもしれない。間奏前半の溜まっていく感じと、そこからの「オーオー」がライブマジックでカッコよさマシマシであった。さらに続くのは「放浪カモメはどこまでも」である。この曲はライブで聞きたい曲でもあったのでイントロで心臓が飛び上がった。もちろん、CD音源でもかっこいい曲であるが、ライブの高揚感と一体になったアレンジなど、とにかくライブでこれを聞けてよかった。「放浪カモメはどこまでも」の興奮のまま、続くのは「ワタリ」。これも照明の演出がギラギラでカッコ良かった印象。そして

もう二度と会えない そんな気がして

この歌詞が刺さる刺さる。
 MC前最後は「ラジオデイズ」であった。ここまで結構ロックな曲が連続であり、興奮する時間帯であった。流石にラジオの音声は歌わなかった。

 MCでは30周年の話などが続き、ラジオやテレビ出演時にも鉄板となっている、「テレビ慣れ」について。最年長で呼ばれることも多いが、緊張感は抜けなくて素人臭くなっていると思っているそう。確かに私もMステで「みなと」を見た時に入りをミスしたのはとても印象深い笑。若いアーティストからリスペクトされている話もし、上白石萌歌さんやあいみょんさん、スミカの片岡さん、そして優里さんの名前が挙がった。そしてそのまま、「ドライフラワー」のサビを歌う。最高音で裏返り「高いねー」とおっしゃっていた。しかしもう一度今度はしっかりと歌い上げた。多分ライブ中に声が裏返ったのは最初で最後・・・。さらに驚くことに「しれっと新曲としてだそうか」などと草野さんが言い、替え歌で

セキスイ ハイム スーパーアリーナで 君に 会えて 本当に良かったー

と歌っていた。

11曲目から23曲目まで

 その後「スピッツが紅白歌合戦に出るのとかなんとか言われてたのももう2年くらい前のことですね」と観客の笑いを誘って(てか、やっぱり噂は知ってたのか!!)MCを終え、「優しいあの子」を歌った。その次は「ビビスクス」。この曲が選曲されるとはつゆにも思ってなかったのでイントロのキーボードでかなり驚いた。続くのは「プール」。ライブで何曲かだけある初期の曲枠なのであろうか。30年近く前の曲とは思えない自然な歌い方であった。また、「この曲のギターソロってこんなに含みのある美しいメロディーだっけ?!」となるぐらい三輪さんのギターの音が心地よかった。その次は「まがった僕のしっぽ」であった。照明やスクリーンの演出が局長とリンクしていて世界観に引き込まれた。激しくなるパートでは緑とかオレンジの照明がぐるぐると映し出されてややサイケデリックな感じであった。

 そして再びMCへ。ここでは昔月一でコンセプトを決めてライブをするマンスリーライブ(公式サイトにも記述がある「スピッツの春夏夜会」のこと)の話があった。そこでダンサブルな「うめぼし」をやったと草野さんが紹介すると、なんとダンサブルな「うめぼし」を思い出しながらAメロを演奏してくれるではないか。﨑山さんのドラムも入り豪華な感じに。フルで聞きたくなってしまった。ちなみにダンサブル「うめぼし」は「YM71D」とか「ヘビーメロウ」に近かった。

 今度は古い曲をということでMCを終え演奏したのは「青い車」。サビで会場全体が手を横に振っていて楽しい瞬間であった。もちろん「青い車」は古い曲であるが、なんの説明なしにやった「プール」の方が古い・・・。続いて「YM71D」、これはまさにダンサブルなスピッツの曲である。ちなみに「見っけ」のアルバムの中で私が最もよく聞いている曲でもあるので、演奏を楽しみにしていた。音源ではフェードで終わってしまうところが聞けるのはライブの醍醐味である。その次は、「ロビンソン」であった。私は事前にセトリを予想していて、近年の傾向(情報を見てるだけ笑)から「空も飛べるはず」「ロビンソン」「涙がキラリ☆」「チェリー」のどれかを歌うと踏んでいた。その中でも仙台七夕(8月7日)とかけて「涙がキラリ☆」だと思っていたので、そこは残念、外れてしまった。その次は最新アルバムから「ありがとさん」。田村さんがMVと同じ四角いベースも使っていた。痺れるアウトロが終わると、静かな中にクジさんのキーボードが響き始まったのは「楓」。音源だともっとしっとり聞こえている気がするのであるが、ライブだとロックである。別にアレンジとかそういう意味ではなくロックバンドの曲なんだなぁと思わせられた。

 「まだまだお楽しみください」的な軽い挨拶を挟み、次に歌ったのは「渚」。ベースとドラムが効いていてサビの開放感も凄まじいのである。しかし﨑山さんは本当に狂いなくドラムを叩いていて改めてビジュアル的に感動した。その次に演奏したのは「8823」。これはライブに行ったことない私でも知っている定番曲で、もう何から何までカッコいい。生「8823」できて本当に良かった。Aメロではステージのスクリーンが中心から放射状に伸びる演出で、高揚感を誘い、サビではメンバーの姿がリズムに合わせて表示されていた。観客は歓声を挙げられない中精一杯手を伸ばしていた。三輪さんもこちら側を向いて、ジャーンとギターを鳴らしていた。田村さんも暴れていた。草野さんのライブ特有の少しつまる歌い方も聞くことができて大満足である。逆にこの曲がなかったらどうしようと思うぐらい、期待していた。その次は「俺のすべて」であった。この曲も盛り上がることには困らない。頭サビからの手拍子と共に会場全体が一体となる。この曲では普段、あまり中心から動かない草野さんも花道まで来て、手を振る。少し顔のほころぶ様子を近くで見ることができた。これまで見てきてライブ映像からわかるが、この曲が来たということは時間的にもフィナーレは近い。そして続くのは「紫の夜を越えて」。もし、ライブが延期→中止になってよかったことが少しでも見出せるのだとしたら、それはこの「紫の夜を越えて」を聞けたことである。もちろん会場は紫色の光に包まれ、私はスピッツワールドを楽しんだ。ここで一度メンバーは去りアンコールへと繋がる。

アンコールからフィナーレ、まとめ

 メンバーたちがグッズのライブTシャツに着替えて再登場すると、会場は大きな拍手で迎えた。アンコール一曲目は「甘ったれクリーチャー」。赤白黒を基調とした演出で一気にまたテンションを上げさせてくれる演奏であった。

 ここでメンバー紹介をした。田村さんはマンスリーライブで「シュラフ」などの曲もやったと回想した。そのダンサブルなライブの名前が「グルーヴィーナイト」であったと思い出し、「背伸びしてるなー」と草野さんが笑っていた(ちなみに公式サイトには「Groovy Wednesday」とあったけど、これのことでいいのかな?)。田村さんはベースが打ち込みの曲がライブでは存在し、そのときはなんと客席からスピッツの演奏を見ていたそう。本人は「スピッツのライブを見ること」を夢にしていたが、実はかなり昔に叶ってた、というオチでした。そこで終わるかと思いきや、続けて「今日楽しいな」と田村さんは言っていた。そして「オリンピックの閉会式よりスピッツだよね??」と言って拍手を誘っていた。
 クジさんは「ダンサブル『うめぼし』を聞くと男梅のCMで、梅干しに手が生えたキャラがクラブDJやドラマーをやっているのを連想する」そう。「だから次やるときは﨑ちゃんに男梅のコスプレをしてもらって・・・」と言っていた。﨑山さんも笑っていた。
 﨑山さんはアクリル板はコロナ対策ではなくもともと音響の関係であるものと説明し、会場を笑わせる。これは確か猫ちぐらのMCでも同様のことを言っていた。そして、朝ドラ「おかえりモネ」の話をした。「登米とか気仙沼の方が舞台で、今上京しちゃってるんですけど面白いです。」と言い、草野さんも「また行きたいね」と返していた。
 三輪さんの順番になる。「マスク生活をしていると誰だかわからなくなる」と三輪さんが言った。草野さんも同調して「知り合いだと思って話しかけたら違う人だったことある」と。もし間違って草野さんに話しかけられたら心臓が止まってしまう笑。また、「俺なんかさ、サングラスしてるからマスクつけるともう誰でもいいもんね。ニセテツヤだらけじゃん」と言っていた。やっぱりニセテツヤさんのこと知っているのである。草野さんが「口の写真をプリントしたマスク使ったら、イケメンの口」と提案すると、「マサムネの口のマスク作る?」と返し、会場は盛り上がる。草野さんは「いや俺の口はあんまり売れないと思う」と渋っていたがみんな拍手していた。三輪さんは「でもライブでマサムネの口がたくさんあったら気持ち悪いな」と言って締めていた。「また絶対来るので絶対来てください!」というのが印象的であった。

 最後に三輪さんから草野さんが紹介される。「最初『けもの道』で『仙台の日の出』って言ったけど、このセキスイハイムスーパーアリーナって利府町なんだよね。だから『利府町の日の出、すごい綺麗だな』でしたね。これ帰ってからね利府町に住んでる人が『利府町なのにな』って思われていたら申し訳ないので訂正します。」と言いワンフレーズ歌った。仙台周辺を「仙台」と呼称してしまうのは宮城あるあるである。最後に感謝を告げると、また演奏の準備に入った。

 アンコール2曲目は「猫ちぐら」である。これもコロナ禍を象徴するスピッツの楽曲で、聞けたことを嬉しく思った。そして最後の曲はアルバム「見っけ」の最終曲と同じ、「ヤマブキ」。今度は照明がすべて山吹色に光り出し、ライブの終わりを鮮やかに彩った。ちなみにアウトロは1曲目「見っけ」のイントロを重ねていた。

 以上の演奏を終え、メンバーは退場していく。ピックを投げたりすることはなかったが、深くお辞儀をすると会場を見渡して手を振った。かくしてライブは終了した。観客は席のブロックごとに帰る帰省退場でいつまでもライブの余韻、というわけには行かなかったが、印象深い楽しいライブであった。個人的には座る椅子もある、周りに声のうるさい人もいない環境であったので初心者としても良いライブであった。そして、これからもファンクラブを続け、必ずもう一度スピッツを見たい、そう思える素晴らしいライブであった。まずは「花鳥風月+」の予約をしよう笑。

ライブTシャツに身を包むLac-Q

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